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【3日目〜墓参り】

★1月6日★

メンフィス最後の1日、起きると大雨…(T_T)
1日の内に天候の変化も激しかったので止むことを期待するが、
今までで1番の強い雨…
今日は伝説のスーパー・スター達の墓参り、
日本でブラザーDにアメリカの墓参りのマナーを聞いてみたら、
特に決まり事は無いとのコト、
でも観光客気分で墓に行くのは、あまりにも失礼、
日本から持ってきたスーツに着替え、
もう1つ、準備してきたのがBLサンよりお預かりした「DSTショットグラス」



ホントはDST名物オルメカ・テキーラを備えたかったのだが、
残念ながら入手出来ず。
ショットグラスを持ち、スーツ姿でフロントへ、
日本で聞いた話によると、墓地が1番危険らしい、
フロントで行先を言って危険かどうか聞いてみる。
「日本で墓地は危険だって聞いたんだけど」
「どこの墓地に行くの?」
「この三か所なんだけど(メモを見せる)」
「この辺りなら問題ないわよ、危険なのは街の裏にある小さい墓地よ」
「ここは大きい墓地なの?」
「そうね、車がないと墓まで着けないかも」
「案内板みたいのはあるの?」
「入口に建物があるハズだから、そこで聞くといいわよ」
「わかりました、ありがとう」
「ところで、だれの墓なの?」
「STAXのミュージシャン達です」
「オー、STAX!ファンキーミュージック!」
「ルーファス・トーマス、アイザック・ヘイズ、アル・ジャクソン、
エステル・アクストン、あとジェームス・カーの墓があります」
「エステル?ジェームス?Who?」
判らないのかぁ、全員知った名前だと思ってたんだけど…

そんな内にフロント正面入り口にモハメッドのトヨタ車が到着♪
「おはよう、今日は長いドライブ引き受けてくれてありがとう」
「問題ない、最初に花屋だったな、あとの順番はこっちで決めていいか?」
「うん、どの順番でもいいから」
「じゃあ、最初に東のWDIAでその後、西に向かって行くぞ」
「お願いします」
「まず、花屋だが専門店は郊外だから近くの花売ってる店でいいか?」
「うん、花買えればどこでもいいよ♪」
「オーケー、なら昨日行ったショッピングモールの近くにいい店がある」
「ありがとう」
「昨日はよく眠れたか?」
「うん、昨日はビール・ストリートも早く終わったから0時前に帰った」
「トロリーバスに乗ったよ」
「あぁ、それはいい、メンフィス名物だからな」
「モハメッドはよく寝た?」
「俺も昨日は早く帰ってカズから貰ったプレゼントをテレビにつないだ」
「子供達も本当に喜んでいたよ、ホントにありがとう」
「よかった♪」
「着いたぞ、ここで花が買える」

昨日通った道なので、見覚えがある。
ショッピングモールと外観は一緒だが、ここは食料品がメインらしい。
中はひたすら広いが、ここもモハメッドが一緒に付いてきてくれるので、
スムースに花売り場に到着。
スーパーの一角なのだが、東京の花屋と同じ位広い。
赤いバラの花束を5個(約50本)購入。値段は約25ドル、やっぱり安い♪
一人で抱えるのはこれで精一杯。
会計は自分でバーコードを打ち、料金を自動支払機に払い、
その間にレジの係の人が包装してくれるという日本には無いシステム。
モハメッドが一緒にいなかったら判らなかったハズ。
今回の旅はモハメッドがいなかったら全く違う旅になってただろう。

花束を車に積みハイウエイに、



メンフィスに着いた時にも不思議だったのが、高速道路にゲートが無い事。
「ねえ、ここはハイウエイだよね?」
「あぁ、そうだ、日本にもあるだろ?」
「でも入口にゲート無いよね?お金はどこで払うの?」
「払わないさ、無料だ」
「えぇ〜、タダなの?日本のハイウエイはチョット乗るだけでも金取られるよ」
「日本は何でも金がかかるみたいだな」
「そうだね、物価はメンフィスの倍位する」
「レストランでも日本の値段で考えたら、エライ目にあった(笑)」
「昨日モハメッドに電話する前にビール・ストリートで2皿食べて動けなくなった(笑)」
「2皿か?それはスゴイ(笑)」
「メンフィスに来てからずっとオナカいっぱい(笑)」
「メンフィスの食べ物はウマいか?」
「うん、みんな好きな味だった♪」
「そういえば、モハメッドって名前、ムスリムじゃないの?」
「豚肉とか食べないんだよね?」
「良く知ってるな」
「日本でギニア人の友達がいて、彼も絶対食べなかったから」
「でも、彼はビールは飲んだよ(笑)」
「カズはブッダか?」

もしかしたら聞かれると思っていたこの質問…
海外では神様を信じていない人間は変人扱いされるらしいと聞いた事もあったし、
かといって、ウソは言えないし…
神様を信じている人に何て云えばいいんだろう…しかも英語で…
この後気まずくなったらやだなぁ…

「う〜ん…神様…」
「世界には色んな神様いるよね、アラー、キリスト、ユダヤ、ブッダ…」
「自分はDJだから、色んな神様を信じたミュージシャンの音楽をかける…」
「だから1人の神様だけを信じることは出来ない…」
「神様が多くの人を救ってるのも解る…」
「でも神様が元で戦争も起きてる…」
「どの宗教も、否定も肯定もしないよ…」
「間違ってる…?」

言っちゃった……どーしよー(>_<)
怒るかなぁ…ここで降りろとか言われたらマジ困るなぁ…

「そうか、判った、カズの考えは間違ってない、いつかカズにも神様がやってくるさ」

ん?怒ってない、というか普通の会話のテンション。
理解されたかは別として、この先も今まで通りに行けそう!(^^)!

「宗教が戦争を起こしているのは悲しい事だ、」
「神について間違った考え方をしている人間が多すぎる」

「難しい問題だね、みんながその事を考えれば世界は変わるのにね」
「変わるって言えば、オバマはアメリカを変えると思う?」
「あぁ、無理だな、今アメリカは難しいトラブルが多すぎる」
「少しでもいい方向に向かうといいね」
「そうだな」

ハイウエイを進むこと約30分、一般道に入り、さらに進む、
この辺りは森の中に高級住宅が点在し、日本でいう軽井沢みたいな雰囲気。
空港から東の方向で、WDIA、そして今日行く墓地はこの東西に広がっている。

森を抜けてしばらく行くと、カーナビが最初の住所に辿り着いたサインを出す。
目の前は巨大駐車場だが、見渡す限り柵になっている。ここって??
地図上は最初の目的地、WDIAラジオ局なのだが…
「カズ、ここで間違いないのか?」
「ここってラジオ局?」
「わからん、初めて来た、カズの行きたいのはラジオ局なんだな?」
「うん、古くからある黒人ラジオ局のはずなんだけど…」
「オーケー、まかせとけ」
といって、車を出す、柵の周りをぐるっと回るとゲートが、
警備員も常駐のちゃんとしたゲート。
ゲート入口でモハメッドが、
「日本から来たDJなんだが中に入れるか?」
「どうぞ、お通り下さい」
…って、これは何か誤解があるような気が…
駐車場に車を停め歩き出すモハメッド…



目の前には辺りの景色とは一線を画した巨大ビルが…
もしかして、この巨大ビルがWDIA局…?
もっと田舎のラジオ局のイメージだったんだけど、
もしかして、エライ所に来てしまった…???
「ここ、入って大丈夫なの?」
「入れたから問題ない、せっかく来たんだから観ていこう」
「ゲートでDJって言ってたけどクラブDJだよ」
「わかってる(笑)」
「わかってて言ったんだ(笑)ありがとう!(^^)!」
正面玄関を入ると受け付けがあり、
そこでも先程と同じやりとりがあり、WDIAは3階と教えてくれる。
なんかいけない事をしている気がする…
確かに嘘は一切無いが…
エレベーターで3階に上がるとWIDAの文字が、



どうやら、現在は多数のラジオ局がこのビルに入っている模様。
入口のドアを開けると更に受け付けが
「カズ、誰か会いたい人はいるか?」
「大丈夫、ここに来れただけで充分、みんな仕事してるからこれ以上は行けない」
「オーケー、解った、事情は説明しておく」
「ありがとう」
受け付けのオネエサンに由緒あるラジオ局を観るために
日本人のクラブDJを連れてきたと説明してくれている。
「ようこそWDIAへ」
「お仕事の邪魔してゴメンナサイ、でも貴重な経験でした」
「問題ないわよ♪」
「ありがとうございました」

車に戻り、本日の1番の目的地、アーティスト達の墓地へ向かう。

最初に着いたのはアイザック・ヘイズの眠る「メモリアル・パーク・セメタリー





DSTで最も多くかかる偉大なアーティストの1人だ。
「Disco Connection」「Theme From SHAFT」はもとより、
「Soul Man,Hold On I'm Comming/Sam &Dave」も彼の作品。
STAXの数多くの楽曲をソングライト、
自身もアーティストとして活躍。
200以上のヒップホップでのサンプリングがある事からも
若いアーティスト達から絶大な尊敬を集めていた事が判る。
STAXを代表するアーティストであり、プロデューサー。
活動はアーティストだけに留まらず俳優、声優としても活躍。
倒産していたStax復興に尽力し、2006年に新生Staxを誕生させ、
自身もアーティスト契約をしていたが、
ニューアルバムを発表することなく、2008年8月10日メンフィスの自宅にて
65歳でこの世を去る。

墓地は聞いていた通りメチャ広い、車で中を移動していくのだが、
端から探せる広さではないので、案内所で場所を聞く事に。


※案内所、オフィスで通じる♪


日本の墓地と違って明るい雰囲気。
事務所で名前を伝えるとコンピューターで詳しいん位置を調べてくれる。
中は100人分位で大きなブロックになっているらしいが、
アイザック・ヘイズの墓はまだ亡くなってから時間が浅いので、
墓碑がまだ出来ていないらしい。
墓地の人が一緒に案内してくれることになる。
車でちょっと(1分位)走るとそこに墓碑のないスペースが、
ここが、アイザック・ヘイズの墓とのコト。



偉大なアーティストの眠る場所の前に来て少し緊張…
DSTより預かってきたショットグラスと花束を持って墓前へ、
DSTのみんなが踊っているトコロを想い出しながら黙祷。

「みんなの意思を伝える為に、代表でやってきました」
「あなたの音楽は遠く日本でも生き続けています」
「これからもずっと……」

案内してくれた墓地の管理人さんありがとう(^^)
モハメッドも待っていてくれてありがとう(^^)

段々と激しくなる雨の中、「メモリアル・パーク・セメタリー」を後にする。



次に向かうのは、偉大なるSTAX RECORDの創始者、エステル・アクストンのお墓。


※Estelle Axton


人種差別の激しかった50年代後半に
差別を受ける人々の心を繋いだのは音楽でした。

Jim StewartとEstelle Axtonの姉弟の創った
メンフィスの小さなレーベルは
白人黒人関係無く、良い音楽を創る為にミュージシャンを集め
やがて世界が誇るサザン・ソウルを代表する名門レーベルとなります。

そのレーベルが【STAX RECORDS】です。

           

DSTでもお馴染み、
Isaac Hayes,Rufus Thomas,Dramatics,Otis Redding,Sam&Dave
Booker T. & The MG's,William Bell,Eddie Floyd,
Albert King,Johnnie Taylor,The Bar-Kays,The Soul Children,
The Emotions,Mel and Tim…
皆、Estelle Axtonの子供達と言ってもいいのではないでしょうか?

彼女が眠るのは「フォレスト・ヒル・セメタリー



強い雨の中、車で走ること約30分、迷う事もなく到着。
ここも先程と同じように管理事務所があり、
そこで、墓の位置を教えてもらう。
事務所の人は恐らく60代位の白人の女性、
エステル・アクストンの墓を教えてほしいと言うと、
「ミス・アクストンね、今場所をプリントアウトするわよ」
「えっ?、今ミス・アクストンって言った?
「STAXのミュージシャンがそう呼んでいたのは知ってたけど、
 普通の人もそう呼んでいたの??」
「そうね、私達の世代では彼女は有名だからね」
「そうなんだぁ」
「STAXの音楽は聴きますか?」
「誰がSTAXのアーティストかは知らないわねぇ(笑)」
「オーティス・レディングとかサム&デイブとか…」
「オー、知ってるわよ♪ドッグ・オブ・ザ・ベイ、ソウル・メンね♪」
「ここに来る前はアイザック・ヘイズの墓に行ってきました」
「せっかく来たのに、雨が降って大変ね」
「そうですね、スーツに着替えたけど、もう足がズブ濡れです(笑)」
「これがミス・アクストンの場所の地図よ、大きな木があるから、それが目印ね」
「ありがとうございます」

地図を頼りにしばらく進むと、といっても運転をしてくれているのはモハメッド。
地図を丁寧に見ながら注意深く車を進めてくれる。
先程の「メモリアル・パーク・セメタリー」より1つのブロックが広く
しかもすべて曲線で作られた道は見た目はいいが、
曲がった道を運転しながら探すのは大変そう。
墓地の1番奥のブロックに1本だけ大きな木がある。あそこだ♪
車から花束を持って大きな木の下へ、



木の脇に大理石で出来たベンチがあり、そこにエステル・アクストンの文字が、
STAXの文字も刻まれている。でも墓碑はここではなさそう。






墓碑の名前を確認しながら奥へ進むとすぐに「AXTON」の墓碑が、ここだ、間違いない。



花束を供えて黙祷。

「貴方の創ったSTAXの音楽に魅せられてここまでやって来ました。」
「あそこの樹のように、貴方の創ったSTAXという樹が多くの実を実らせ
 その種は、遥か日本にまで届いていますよ。」

ちょっと感傷的になってしまう…(T_T)
そういえば、さっきまでの大雨がほんのひと時、うそのように止んでる…
こんな偶然があると、想いが届いてるのでは?と勘違いしてしまう(^_^;)
勘違いしている間にまた大雨、急いで車に戻ろうとするが、
ずっと続いている雨で墓場はまるで田んぼの中を歩いているみたい…
一歩ずつ、慎重に、ここで転ぶとモハメッドの車内をドロだらけにする事になってしまう。

車に戻るとモハメッドが
「今のもミュージシャンか?」
ん?何でここだけ聞かれたんだろう?
「ここはSTAXを創った人のお墓だよ、【STAX】の【AX】は彼女の名前から来てるんだよ」
「オー、なるほど、わかった。」
「でも何で聞いたの?スタックスのミュージシャン達って言ってたハズだけど…」
「昨日家でSTAXのミュージシャンの事は調べたが判らない名前だったからな」
「そうなんだぁ、わざわざ調べてくれたんだ、ありがとう〜(T_T)」
「次は3人だな、今度はちょっと離れてるぞ」
「うん、次が最後の場所だね」
ダウンタウンの南東から空港の脇を越え更に西へ移動していき、



最後の墓地は「ニュー・パーク・セメタリー
ここにはRufus Thomas,Al Jackson Jr,James Carrの墓がある。


  

Rufus ThomasはSTAX創設期以前より活躍するシンガーであり、
エルビスを白黒の差別なく黒人ラジオ局で初めてかけたDJであり、
またSTAXの歌姫カーラ・トーマス、アーマ・トーマスの偉大なる父であり、
「ウォーキン・ザ・ドッグ」「ファンキー・チキン」など数々のダンスを世に送り出し、
“世界で最も老齢のティーンネイジャー"と称され、
ブルース、ソウル、DJ、コメディアンと活躍の場所は多岐に渡り、
「生涯一芸人」まさにエンターテイナー!
最高にキモチのいいファンキーオヤジである♪



  

Al Jackson Jr.はSTAXが誇る名ドラマーで、
Booker T. & The MG'sのデビュー曲「Green Onions」よりSTAXのレコーディングに参加。
STAX / VOLTにとって最初のNo.1ヒットとなる。
以後、These Arms Of Mine - Otis Redding(STAX デビュー作)
   A Place Nobody Can Find - Sam & Dave(STAX デビュー作)
を始め、STAX / VOLTの多数のレコーディングに参加。
STAXの音楽には欠かす事の出来ないドラマーである。



  

そして、James Carr、ハイ、スタックスと共にサザンソウルを代表する
レコード・レーベル「Goldwax Record」のいぶし銀シンガー。
名盤「You Got My Mind Messed Up」はこれぞソウル!
「哀愁」という形容詞では全く足りないのだが、
哀しみ、深み、重み、苦悩、葛藤、その総てを唱に表現出来る
数少ないアーティストである。
オーティス・レディングが「Mr.Pitiful(哀しみ)」と呼ばれる事があるが、
オーティスが哀しみを叫ぶシンガーだとすれば、
James Carrは哀しみを語るシンガーではないだろうか。



広い道から脇道に入り、森の中の道を進むことしばらく、
ゆるやかな山の斜面一帯に墓碑が見えてくる、山の向こう側まで続く墓碑から
かなりの広さがあると想像できる。
入り口らしき小道を入るとその奥に駐車スペースがあり、
その更に奥に事務所らしき建物がある。
墓の位置を教えてもらう為に建物の中へモハメッドと一緒に中へ入り、
声をかけたのは40代位の白人のおじさん。
ここでの出来事がモハメッドに絶大な信頼をおくことになる…

「すいません、お墓の位置を教えてほしいのですが」
「ここはみんな墓だ」
ん?何か引っかかる言い方…
決して英語がちゃんと理解出来る訳ではないが、
好意的な対応をされてない事は解る。
「Rufus Thomas,Al Jackson Jr,James Carrの墓を探しているのですが」
「ここの墓地に在ることまでは判っています」
「ならその辺探せば見つかるだろ」
その辺って、こんな広い所1個1個見て回れってコトか?
「お前、その態度はないだろ…」
えっ?
キレたのはモハメッドだった、
「こいつは墓参りするために日本から来てるんだぞ!」
「どんな気持ちでここまで来たかわかってんのか!」
「お前は死者に対する尊敬とか全く無いのか!」
騒ぎを聞いて奥から事務員の女性達が大勢出て来る。
「ちょっと、何事?」
「こいつの態度は許せない、墓参りに来る人間を侮辱してる!」
「どういう事?ちゃんと話して」
「アンタは下がってなさい!」
黒人の女性の一言で騒ぎの元になったおじさんは奥へ引っ込められる。
ここに入ってからのやりとりを説明すると
「そうだったの、悪かったわね、今調べるから」
「ありがとうございます」
それにしても、モハメッドがキレるなんて、
自分の為に怒ってくれたと思うとなんか嬉しい。
湧き上がる感謝の気持ちが止まらない。。。。。
「待たせて悪いわね、Rufus Thomas,Al Jackson Jrの墓はすぐ近くなんだけど」
「James Carrの墓が見つからないわねえ…」
事務所の奥から墓碑のリストを大量に持ってきて調べてくれてる
ここはコンピューター管理ではないらしい。
結局30分かけてリスト全部調べてもJames Carrの墓は見つからなかった。
「ごめんなさいね、せっかく来たのに見つからなくて」
「いいえ、充分です、沢山のリスト調べてくれてありがとうございます」
「2人の墓はこの近くだから車で案内するわね」
「Bar-Keysの墓も近くだけど行く?」
えっ?そうなの?知らなかった…
オーティスと一緒に飛行機事故で亡くなったBar-Keysのトップメンバー4人の墓の事だ。
4人一緒に埋葬されてたんだ…
でも、今行ったら、James Carrが見つからなくて、
聞いたからついでに行く事になってしまう。
それではあまりにも失礼だ。
また来た時に、ちゃんと追悼する気持ちで、ついででは無く来よう。
「ありがとうございます、でも2人の墓だけに行きます」
「そう、わかったわ、行きましょう」
「ところで、彼は友達なの?」
「俺はただのドライバーだ」
「そう、いいドライバーに逢えたわね♪」
「本当にそう思います、貴方もいい人だ♪」
「いやだぁ、あははは」

事務所から墓までは100メートル位、ぬかるんだ泥道を進む、
「あそこに大きな墓碑が見える?あれがAl Jackson Jrの墓よ」
「写真は見た事があったので判ります、ありがとうございます」
「ここから10メートル位戻って上に5列目がRufus Thomasのお墓よ」
「ありがとうございます」
泥だらけの道で墓の正面まで、ここから車を降りて水たまりだらけの道を歩いて進む、
遠くからでも良く判るAl Jackson Jrの墓碑。





墓碑自体も大きく目立っているし、ドラムの絵が彫り込んであるので一目瞭然だ。
墓前に花束を供え黙祷。

「STAXを支えた名曲達の鼓動が今も止まる事無く動き続けています」

ぬかるんだ道といっても車が停まっている所から
墓碑までは道は無くまさに田んぼの中を歩いているよう、
一歩進む度に「グシャッ」と音がして足が土に埋まる。
最後となったRufus Thomasの墓は道から斜面を登ること10メートル程、
スーツ姿で片手には花束、滑らないように歩くので必至、
ここで転んだら下まで滑り落ちるな…

なんとか墓碑の前にたどり着き花束を供える、



Rufus Thomas…「生涯一芸人」のアーティストに
讃辞を言っても喜んでもらえないような気がする…
DSTのみんなも心底楽しく踊ってるしなぁ…
墓前でやるのは正しいかどうかは判らないけど、
これが自分の思いつく最大級のリスペクトの方法。
ファンキー・チキンを踊る!
足場が悪いからではなく、踊るの下手クソだからなぁ…(^_^;)
Rufusおじさん観てたら化けて出るかも…(^_^;)
笑ってユルシテくださいね…(^_^;)
ゴメンナサイの意味も含め黙祷。




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